現代人は必ず読んで!宮崎駿「シュナの旅」のあらすじ、感想、ネタバレ

ブックログ

偶然入ったカフェの本棚に本作が置いてあり、手に取って思わず集中して読んでしまいました。すぐに読めてしまう短いお話なのに、ジブリ映画を観たかのような読後感で、しばらく呆然としていました。

宮崎駿監督の作品、「シュナの旅」のあらすじ、感想、ネタバレなどをご紹介します。また、ジブリ作品である、ラピュタやナウシカとのつながりも解説します。

簡単なあらすじ

主人公シュナは、王子として生まれます。彼の国では作物が育たず、国民はわずかな食料で飢えをしのいでいました。

シュナは豊かな実りをもたらす「金色の種」を求めて、相棒のヤックルと共に旅に出ました。旅は想像以上に過酷で、様々な危険が伴います。

旅の途中で奴隷の少女たちと出会い、彼女たちを命がけで助けます。そして、たどり着いた「神人の土地」において、とうとう黄金の種を見つけ出しますが、待っていたのは過酷な運命でした。

ネタバレ

シュナが旅の途中、息も絶え絶えにたどり着いた町は、奴隷貿易で富を築く街でした。そこで、奴隷として捕らえられていた姉妹に出会います。奴隷商の男は彼の剣が金になると見て、剣と交換で少女の奴隷を買うよう勧めます。しかし、奴隷の少女はその剣を手放してはいけないと言います。

彼は奴隷たちを乗せた輸送車を襲撃し、自由になりたいものはここを降りるようにと奴隷たちに言います。降りてきたのは、姉妹だけでした。シュナは奴隷の少女を連れて、ヤックルに乗って逃げました。しばらくすると、追手がやってきました。

3人を乗せたヤックルは限界を迎えていました。シュナは、姉妹たち二人なら逃げられるとヤックルを降り、敵の前に立ちはだかります。敵から逃げのびた結果、「神人の土地」を見つけることに成功します。

その土地で、巨人のような生命体に生き物が群がり、食べるところを目撃します。さらに、開けた空き地に、不気味な形をした巨大な塊を発見します。

中に空洞があり、シュナはその穴の中を覗き込みました。途端に恐怖がこみあげ、その巨大な塊から逃げます。夜になると、その塊から巨人のような生命体が湧き出てきました。シュナはその塊に近づき、種を盗みます。神の怒りにふれたシュナは、命からがら逃げだしました。

一方その頃、ヤックルに乗って逃げた姉妹は、たどり着いた町で老婆の家に身を潜めていました。そこでの生活は優しいものではなく、労働も過酷でした。しかし、老婆は厳しくとも二人の面倒を見てくれていました。

そこに、シュナが帰ってきます。シュナはボロボロで、廃人になっていました。口もきけず、話しかけても何の反応もありません。今度は自分が助ける番だと、姉妹の姉の方・テアは内緒で納屋に彼をかくまい、食べ物を分け与えました。テアは食べ物が減っていることを老婆にとがめられましたが、自分の食べ物を減らしてでもシュナを助けようとしました。

テアはシュナが手に種を握りしめていることに気付きます。少女は、その種を畑にまきますが、夜のうちにシュナは畑を掘り起こし、種を回収して手の中に戻してしまいます。

老婆は年頃になったテアに、村の男と結婚するように言います。結婚相手を決めるために開かれた宴会で、少女はヤックルを乗りこなせた男と結婚すると言いました。

男たちはヤックルに次々にまたがりますが、ヤックルは暴れ、乗りこなせるものはひとりもいません。そこに、ふらりとシュナが現れ、軽々とヤックルに乗って、そのままどこかへ行ってしまいました。

しばらくするとシュナは帰ってきました。彼は元通りになっていました。彼らは種を植え、ようやく豊かな実りを取り戻します。

感想

原作は宮崎駿監督です。

絵本のようになっており、イラストと簡単な文章のみで構成されています。登場人物の言葉も少なく、すぐに読めてしまうのですが、読後感は、壮大な映画を見たような感覚に襲われます。とても不思議で、少し不気味なお話ですが、シュナの勇気と強さ、登場人物たちの優しさに心打たれます。

主人公のシュナは王子様です。王族と言えば、豪華な城に住んでパーティーをして優雅に暮らす人たちのイメージです。この物語の王子さまは食糧難の国民のために、作物が育たない地でも育つような作物の種を探すため自ら危険な旅に出ます。この時点でもう素晴らしいと思うし勇気が要ることなのですが、彼がとてつもなく苦しい思いをして、自分を失いそうになってでも目的を忘れなかったシーンは本当に心打たれました。

食糧危機は今や私たちにとって他人事ではないので、今満足に食べていけるのは過去の人たちの苦労のおかげなのだとハッとさせられます。待っていないで、嘆いていないで、自分にできることをやろうと前向きな気持ちにさせてくれます。

シュナが旅の途中で出会う奴隷の少女・テアも、優しく忍耐強く本当に素敵な人物です。シュナとテアを見ていると、汚れた自分の心が清められます。この物語を通して、苦しい中でも人の優しさや希望によって生かされていることを忘れてはいけないと実感しました。

モデルや世界観は?

この物語はチベットの民話「犬になった王子」がモデルになっています。

宮崎駿監督はこの作品を映像化したかったそうですが、日本ではこのような地味な作品が通るはずもなく、このような形で世に出すことになったとおっしゃっています。この作品の映像化、ものすごく見たかったので残念…。しかし、「もののけ姫」や「風の谷のナウシカ」などジブリ作品にこの物語の世界観や設定が受け継がれています。

「シュナの旅」の世界観は「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」にかなり似ていて、主人公のシュナも少しナウシカに似ているような感じがしたので、ナウシカの息子か子孫のお話かと最初思ってしまいました!しかし、ナウシカとは直接は関係ないそうです。

まとめ

絵と簡単な文章のみですぐに読めてしまいます。しかし、壮大な映画を見たかのような読後感や感動を味わえます。

ジブリファンの方だけでなく、今を生きる多くの方に読んでほしい一冊です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました