禅寺で働き、毎日1時間程度の座禅を行っていた経験をもとに、マインドフルネス(瞑想)のコツや別の方法を紹介します。
この記事は以下のような人に向けて書いています。
- 考え事が浮かんで瞑想がうまくできない
- 瞑想を習慣化するのが難しい
- 瞑想中に眠ってしまう
マインドフルネスや瞑想とは?
元々、瞑想は仏教の修行僧が修行の一環として行っていたものでした。禅の考え方における様々なメリットや瞑想の効果が注目されはじめ、一般人にも波及していきました。
今では修行としてではなく、心の健康維持、集中力向上、リラクゼーション、メンタルコントロールの方法として、世界中で人気が高まっています。
日本では瞑想、座禅という言葉でよく知られていますが、海外では『マインドフルネス』や『メディテーション』という言葉で知られています。
瞑想を生活に取り入れ、活躍した人物も存在します。以下の人物が禅を学び、座禅を組んで修行した経験のある人物として、よく取り上げられています。
- 安倍晋三前首相
- アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ
- ビートルズのジョン・レノン
安倍前首相は、一度目の総理大臣を辞任した後、禅寺へ修行へ行き、その後8年間もの間総理大臣として活躍しました。スティーブ・ジョブズは、若いころから僧侶から直接禅について学び、自分も僧侶になろうとするほど熱心でした。ジョン・レノンもインドの仏教寺院を訪れて瞑想し、その後名曲を数多く残しました。
瞑想、マインドフルネスのメリットは?
- 心を強くしたい
- 疲れにくい体をつくりたい
- うつ病や依存症など、心の病気を治したい
- 怒りや悲しみから解放されたい
- 集中力が欲しい
こういった方にオススメしたいのが、瞑想です。
私たちの心は、日々様々なストレスにさらされ、無意識にいらない情報までインプットし、知らぬ間に疲れ果てています。
そこで、心に貯まったゴミを掃き出し、複雑になってしまった思考をシンプルにするのが瞑想です。
また、瞑想の元である禅の考えを知るだけでも、心を安定させたり、行動的になれたりします。禅の考え方には、『人は無から生まれ、無に帰っていく』というものがあります。
私たちは無から生まれてきたのだから、起こったことも、自分の感情も、いつかすべて無に帰ります。
人生には苦しいことや悲しいことがあったり、不安や怒りで押しつぶされそうになったり、一歩踏み出す勇気がなくて諦めてしまう、といったことが起こります。
それらも、いつかすべて無くなってしまうと思うと、少し心が楽になったり、後悔のないよう挑戦しようと思えたりするはずです。
瞑想の方法は?

用意するものは、リラックスできる場所と、座布団やクッションです。
こういったクッションがあると便利です!
まずは、半分に折った座布団や高めのクッションをお尻の下に敷き、その上に胡坐をかくように座ります。お尻の下に座布団やクッションを敷くことで、良い姿勢を保つことができます。

次に、片方を持ち上げ、足の裏を天井に向けるようにして、指先が太ももの上に来るよう足を組みます。もう片方の足も同じように、太ももの上に上げます。この座り方を、結跏趺坐(けっかふざ)と言います。

両足とも太ももにのせるの望ましいですが、体がかたかったり、慣れていないと難しいので、片方の足だけでも大丈夫です。
最初は痛いかもしれませんが、何度も瞑想するうちにこの体制に慣れてきます。床に座るのが難しい方は椅子に座って行っても問題ありません。
手の位置は好きな場所で大丈夫です。手の平を上にして両足の上にのせたり、おへそあたりで両手の親指と人差し指で〇を作るのが一般的です。
そして、顔を正面に向け、あごを引き、姿勢を正しましょう。姿勢を正すことは瞑想において、とても重要です。
目をうっすら開けて、目線は斜め前の床をぼんやり見ましょう。目をつぶって行っても大丈夫ですが、眠たくなりやすいので、目を開けて行う方がオススメです。
そして、瞑想では呼吸が最も重要です。腹式呼吸を意識しながら、ゆっくり息を吸って、少しずつ吐くようにしましょう。吐くときは、吸うときの2倍ほどの時間をかけましょう。
おへそから指3本分下のあたりに、「丹田」というエネルギーの源があります。この丹田を意識し、丹田からの呼吸を意識しましょう。

下手くそですいません…。
この状態を、できるだけ長く続けます。初心者なら5~10分、慣れてきたら30分、更に上級者の方は1時間続けます。
座禅中は何も考えてはいけません。
頭をからっぽにして無になることこそが大事です。雑念が出てきたとしても、雑念を振り払って無になりましょう。
瞑想がうまくいかない人がやるべきこと
座禅を実際にやってみると、何も考えないことはとても難しいということに気づくでしょう。
そういう方は、呼吸に意識を向けるようにしてください。
やり方としては、息を吸うときと吐くときに「1、2、3…」と、心の中でカウントします。吐くときは吸うときの倍の長さで、ゆっくりと少しずつ息を吐いていきます。
雑念が出てきたときは、このように心のなかでカウントをして、呼吸に意識を集中させてください。
集中力が続かないという方は、環境を見直してみてください。部屋の照明は暗めで、程よい温度と湿度に保ってください。そして、瞑想は1日たった5分だけでも大丈夫です。
最初はたくさん雑念が出てきた、集中できなかったとして、何回か瞑想するうちに無心になる時間が長くなっていくと思います。継続して続けてみてください。
あえて外で行うのも一つの手です。仕事の休憩中や疲れたときなどに、ただその場で深呼吸をするだけでリフレッシュできるので、ぜひ試してみてください。
瞑想中に寝てしまう人にオススメな歩行禅

私は禅寺で働いていたとき、睡眠不足と疲れがたまって、座禅中に眠ってしまうことがよくありました。瞑想をすると副交感神経が優位になってリラックス状態になるため、眠たくなることは自然なことです。むしろ、寝る前に瞑想をすることで寝つきがよくなります。
瞑想というのは、ただじっと座るイメージがあると思いますが、実は別の方法もあります。
それは、歩行禅という方法です。これは、歩きながら瞑想するという方法です。やり方はとても簡単です。歩いているときに何も考えないようにして、呼吸と歩くことだけに集中するだけです。
座禅の時と同じように姿勢を正しましょう。そして、目線だけ斜め前の地面を見ます。そして、指を広げた状態で、両手をみぞおちあたりに添えて行います。
安全な道や公園、庭などで、10分~15分程度ゆっくりと歩きましょう。
瞑想を習慣化する方法
座ることや歩くことに限らず、『目の前のことに集中する』だけでも瞑想の効果を得られます。
何かを一生懸命やっていたらあっという間に時間が過ぎていたという経験はありませんか?それは、目の前のことに集中できている証拠です。
どんなことでも構いません。仕事や趣味をしているときだけでなく、料理をしたり、食事をしたり、誰かと話したりしているときに、ただ今やっていることに集中するだけです。
- 歩いているときは、考え事をせず歩くことに集中する。
- 食事中はテレビを見たりスマホを触ったりせず、目の前の食事をゆっくり味わって食べる。
- 仕事中は目の前の仕事だけに集中する
- 休みの日や1日の終わりに何もしない、何も考えない時間を作る
- スポーツ、筋トレ、料理、楽器、絵を描くなど没頭できる趣味を持つ
- 疲れたときや休憩時に、無心になってただ深呼吸をする
たったこれだけで、瞑想のような効果を得ることができます。
疲れているのですぐに寝てしまう、忙しくて瞑想の時間が取れない、じっとしているのは苦手だという方は、普段の生活や仕事中など気づいたときに、マルチタスクをせずにひとつのことに集中する癖をつけてみてください。
まとめ
瞑想は、お金もかからず、誰でもできる、かつ日常に取り入れやすい心の健康法として本当におすすめです。最初はうまくいかず辞めてしまう方も多いと思いますが、続けているうちに、楽に行うことができるようになっていきます。
たとえ5分だけでも瞑想する習慣を持つことで、あなたの心は強くなります。体だけでなく、心の健康のためにも瞑想を生活に取り入れてみてください。
こういった書籍もチェックしてみてください(^^♪
コメント
[…] この方法は、瞑想や、マインドフルネスとも言います。興味のある方はこちらの記事を読んでみてください。 […]